今日のように産業ロボットが昼夜活躍する工場
は夢想だにできなかったろうけれど、
人造人間という発想は古代からあった。
人間が人間を作り、これを愛するというのは、
どうやら全世界共通のことだったらしい。
オモチャやぬいぐる象人形はその一種である。
近代とくに十九世紀以降は奴隷として労働するロボットが
考えられるようになった。
同時に労働者の多くが”働く機械″として、拳じめな生活を
強いられる現象が現われた。
これを見て戯曲「人造人間」を書いたのが
チェコの劇作家カレル・チャ・ヘック。一九二○年のことだ。
彼は、「人造人間」を人間同様に精神労働も肉体労働もできるが
「情緒と霊魂をもたない存在」として、奴隷労働を意味する
「ロボタ」から「ロボット」と名づけた。
戯曲では、労働を通じて知能ばかりか反抗精神も発達させた
ロボットたちが創造主である人間に立ち向かい、
人間をほろぼしてしまう。この痛烈な皮肉がプラハで大評判になり、
ロボットの名が世界的に知られるようになった。